全国視聴覚教育連盟

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視聴覚教育時報 平成24年2月号(通巻671号)index

◆新しい葡萄酒は新しい革袋に/井口 磯夫(日本視聴覚教具連合会会長・十文字学園女子大学人間生活学部教授)

◆第16回 視聴覚教育総合全国大会・第63回 放送教育研究会全国大会合同大会(東京大会)一次案内

◆京都市視聴覚センターが被災地3視聴覚ライブラリーへ16ミリ映写機を寄贈

◆被災地視聴覚ライブリー状況報告(岩手県地域視聴覚教育協議会連絡協議会)

◆被災地視聴覚ライブリー状況報告(宮城県石巻市視聴覚センター)

◆専門委員通信(5)視聴覚教材と視聴覚ライブラリーの役割/全視連専門委員 沼澤 豊起

◆新しい葡萄酒は新しい革袋に/井口 磯夫(日本視聴覚教具連合会会長・十文字学園女子大学人間生活学部教授)

 昭和55年に岐阜県羽島郡川島町立川島小学校を参観させていただいたときの記憶です。川島小学校はCMIの実践的研究の原点でした。校内の全教室にアナライザーが設置されており、先生方は毎時間の授業でアナライザーを使っておられました。先生の合図で児童がスイッチを押すのですが、一つの音がガチッとするだけで完了したのです。いかにアナライザーが日常的に使われているかの証左だと感じました。

 フューチャースクールの実践でも電子黒板やタブレットPCが使われています。電子黒板は事業仕分けで予算がカットされ、導入を諦めた教育委員会もかなり多かったようです。しかし、昨年の第15回視聴覚教育総合全国大会の仙台市立愛子小学校の実践発表でも電子黒板が当たり前のように使われ、学習効果を上げている様子が分かりました。

 今までの視聴覚機器は悉く教師のための道具であり、児童生徒が学習に活用することは、ほとんどなかったように感じます。DiTTが進めようとしているデジタル教科書やデジタル教材が、もし教師側の知識を注入する道具としてのみ使われるなら、児童生徒の新しいリテラシー育成は望むべくもないでしょう。昭和58年5月の岐阜日日新聞の「素描」に当時の川島町長であった尾関正爾氏は、「教育の主体は教師と子供であって機器が教育するのでは決してない。(中略)教育機器の導入という新しい事業にぼう大な投資をした私としては、これによって子供たちが創造的に楽しく学び育ってくれるよう祈る気持ちでいっぱいである。」、と述べられています。

 電子黒板やタブレットPCなどの教育機器は、教師も子供も必要な時にいつでも使える状態になっていることが重要です。今の時代の子供たちをディジタルネイティブと呼ぶそうですが、新しい教育機器は子供たちに自由に使わせることで、21世紀のリテラシーを身につけてほしいものです。

◆第16回 視聴覚教育総合全国大会・第63回 放送教育研究会全国大会合同大会(東京大会)一次案内

※詳細はコチラより第一次案内をご覧ください(サイトを離れます)。

大会テーマ:「ネットワーク社会におけるメディアとヒューマンコミュニケーション」

期 日:平成24年8月2日(木)・3日(金)

会 場:国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)

参加費:3,000円(資料代)

■テーマ別研究交流会(全視連)
 8月2日(木)午後
◇明日に活かすメディア・コ ミュニティを考える
 地域社会の活性化を目指した、新たなメディア環境の構築や、その活用の在り方について、報告を中心に研究協議を行います。

■団体別研究
 8月3日(金)午前
◇全国視聴覚教育連盟/センター協議会(2部会)
・デジタル化への展望|視聴覚ライブラリーのネクストステージ|
・地域力を培う特色あるメディア活用

■合同全体会
 8月3日(金)午後
・開会行事
・功労者表彰
・NHKプレゼンテーション
・シンポジウム(大会のまとめ)

◆京都市視聴覚センターが被災地3視聴覚ライブラリーへ16ミリ映写機を寄贈

 同じ視聴覚ライブラリーの仲間として、昨年末、京都市視聴覚センターから、東日本大震災で機材を失した被災地視聴覚ライブラリーへ、16ミリ映写機を寄贈するという善意支援について、事務担当者間で連絡調整を行い、次の岩手県の3視聴覚ライブラリーに発送されました。

・釜石市視聴覚ライブラリー
・大槌町視聴覚ライブラリー
・沿岸第一地区視聴覚教育協議会気仙地区視聴覚ライブラリー

 その他の視聴覚ライブリーでも要望があれば寄贈できるように、調整を進めています。今回、積極的に16ミリ映写機の寄贈を申し出て頂いた、京都市視聴覚センターは、大震災早々、被災地に入り、上映ボランティア活動を積極的に行い注目されました。

 視聴覚ライブラリー活動として、為すべき事を積極的に考え、行動を持って示して頂いた事が、高く評価されています。

◆被災地視聴覚ライブリー状況報告(岩手県地域視聴覚教育協議会連絡協議会)

 昨年11月11日に開催した「第15回視聴覚教育総合全国大会」前日の11月10日に、東日本大震災の被災地域におけるメディア環境の被災状況や復旧への整備状況、被災後の事業活動と課題について、岩手県・宮城県・茨城県の被災3県の視聴覚ライブラリー担当者に登壇いただき「被災地視聴覚ライブリー状況報告会」を行った。本欄では、当日発表いただいた岩手県地域視聴覚教育協議会連絡協議会、宮城県石巻市視聴覚センターに被災状況や今後の支援活動等について誌面で報告いただいた。

〈岩手県〉被災地視聴覚ライブリー状況報告 

岩手県地域視聴覚教育協議会連絡協議会 事務局員 久慈 孝

 

1.岩手県は4つの視聴覚ライブリーが被災

 平成23年3月11日14時46分に三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生した。約3分30秒にもわたる大きな揺れは、県内各地域に甚大な被害を与え、さらに沿岸市町村は、その後の大津波により多くの死者、行方不明者を出し、多くの家屋が倒壊するなどの被害を受けた。 県内地域視聴覚ライブラリーは4つのライブラリーが被害を受け(図1)、休止を余儀なくされたライブラリーや約2ケ月間業務を停止したライブラリーもあった。


図1・岩手県内視聴覚ライブラリー被災状況

 

 特に沿岸地域のライブラリーは地震により16ミリ映写機が棚から落下、津波により教材が流失するなどの被害を受けている。その詳細については、次のとおりである。

 盛岡駅西口のいわて情報交流センター内に設置されている岩手県立図書館視聴覚資料団体貸出部門(視聴覚ライブラリー)は、機材・教材への被害はなかったが、地震による停電の影響や書棚から落下した図書の片付け等、貸し出し業務を再開させるための作業により、3月いっぱい開館ができない状況であった。

 沿岸第一地域(気仙地区)視聴覚教育協議会(図2)は、本館は大船渡市、分館は陸前高田市及び住田町に設置されている。住田町分館は震災当日から貸し出し業務を休止し、数日後から再開している。本館は5月から貸し出し業務を再開している。


図2・沿岸第一地域(気仙地区)視聴覚教育協議会の被災状況

 

 一番被害が大きかった陸前高田市分館は、陸前高田市立図書館内に設置されており、津波により建物が全壊し、教材のビデオ・DVD等がすべて流失している。

 釜石市視聴覚ライブラリーは、海岸部ではなく、内陸部にある釜石市立図書館内に設置されており、津波による浸水被害は免れたものの、16ミリ映写機が地震で棚から落下し、破損して使用できない状況である。貸し出し業務は4月下旬から再開している。

 大槌町視聴覚ライブラリー(図3)は、高台の大槌町中央公民館内に設置されており、津波の浸水による被害はなかったが、公民館が10月まで避難所となっていたために、現在は公民館としての機能を回復させるための様々な復旧作業を進めている。貸し出し業務は現在も休止しており、機材・教材等の状況については確認中である。


図3・大槌町視聴覚ライブラリーの被災状況

 

 県内のライブラリーの被災状況については、以上であるが、岩手県地域視聴覚教育協議会連絡協議会は、今回の大震災津波で甚大な被害を受けた沿岸地域に対して、次の支援を行っている。

2.被災ライブリーへの経済支援

 一つ目の支援としては、今年度、連絡協議会に所属するライブラリーの中でも被害が大きかった4ライブラリー(沿岸第一地域(気仙地区)視聴覚教育協議会、釜石市視聴覚ライブラリー、大槌町視聴覚ライブラリー、県北第二地域視聴覚教育協議会)からの負担金の徴収を行わないこととした。

3.映写ボランティア事業で被災地を元気づける

 二つ目の支援として、映写ボランティア派遣事業を実施している。この事業は、連絡協議会会員の「今こそ、視聴覚ライブラリーの出番である」「被災地で映画会を開催することで、少しでも元気になってほしい」という一言に端を発し、実施することとなったものである。ボランティアの派遣を希望する市町村や放課後の子どもの居場所、学校等からの依頼により、希望する日時、場所を調整し、機材、教材、暗幕等を持参して、映画会を開催するものである(写真1)。


写真1・映写ボランティア派遣事業の様子

 

 映画を上映するだけでなく、資格を持ったボランティアが子どもたちにレクリエーションを実施している。派遣するボランティアについては、これまで内陸部の盛岡教育事務所管内教育振興協議会及び県南第一地域視聴覚教育協議会が育成した映写ボランティア(写真2)を派遣している。


写真2・映写ボランティアの方々

 

 ボランティアの力を、被災した市町村の子どもたちをはじめとする多くの方々のために発揮し、少しでも復興の役に立てればという思いである。内陸部からのボランティアを派遣できない場合は、機能が回復した沿岸部のライブラリー職員や教育事務所社会教育主事が対応している。映画会会場までの移動に係る旅費は、岩手県の旅費規程に準じ、連絡協議会から支給している。映画会は、昨年11月末現在で、のべ12ヶ所で開催している。

 来年度以降については、被災地の状況を把握しながら、引き続き継続するかどうかを検討しているところである。

4.全国から寄せられた支援に感謝

 最後に、この紙面を通じて、今回の大震災津波に際し、全国から寄せられた、たくさんの心温まる御支援に深く感謝を申し上げるとともに、ライブラリーの果たす役割を再確認し、復興支援に取り組んでいく所存である。

◆被災地視聴覚ライブリー状況報告(宮城県石巻市視聴覚センター)

 昨年11月11日に開催した「第15回視聴覚教育総合全国大会」前日の11月10日に、東日本大震災の被災地域におけるメディア環境の被災状況や復旧への整備状況、被災後の事業活動と課題について、岩手県・宮城県・茨城県の被災3県の視聴覚ライブラリー担当者に登壇いただき「被災地視聴覚ライブリー状況報告会」を行った。本欄では、当日発表いただいた岩手県地域視聴覚教育協議会連絡協議会、宮城県石巻市視聴覚センターに被災状況や今後の支援活動等について誌面で報告いただいた。

〈宮城県〉被災地のライブラリーに勤務して

宮城県石巻市視聴覚センター 社会教育主事 熊谷賢治

1.「はじめに」〜あの日

 原稿の依頼を受けた際、何を書けばいいか戸惑いを覚えた。被災地で勤務する者として、やはり震災当日から始めざるを得ない。少々書き連ねることをご容赦願いたい。

 轟音。樹木がなぎ倒され、家が押しつぶされる音。そして波の音。私は海辺の小さな小学校に勤務していた。今までにない激しく長い揺れと大津波。恐怖感より、妙に冷静で、起きたことの意味をつかみきれないでいる不思議な感覚であった。私は子どもたちや地域の方々と山を登って難を逃れた。波が落ち着いて山を下りて見た風景は、あまりにも変わり果てた校舎と地域の姿だった(写真1・2・3)。


写真1・がれきに覆いつくされた石巻市内


写真2・津波の被害で変わり果てた学校


写真3・学校の時計は津波が襲った3時25分で止まった

 

 約50名の我々を残して誰も残っていないのではないか?子どもたちの親は…。その夜は学校の裏山にある神社で過ごした。本来なら神社は学校の敷地を出て石段を上ったところにある。石段は半分以上流され、校舎裏の崩れた崖から上れるようになっていた。お年寄りを背負う若い教師、低学年の児童の手を引く6年生の子。歌を歌いながら励まし合う子どもたち。私は迎えに来た母親が連れた3歳の妹を抱きかかえ必死に崖を上った。

 暗闇に不気味に響く波音、絶え間ない余震、冷たい星空。これからどうなるのか。子どもたちは…。口には出さなかったが、その場にいた誰もがそう思ったに違いない。長い夜が明けると、保護者や地域の方々が子どもたちと涙の再会をすることができた。お互いの無事を確認して喜び合った。その後、我々は少し離れた学区内の集会所に避難していることを聞き、徒歩と車で約1時間かけて向かい、ようやく一息つくことができた。

2.石巻市視聴覚センターに勤務して

 3月11日で私の小学校教員としての職務は終了してしまった。避難所となった学校(写真4)で昼夜を問わず対応に追われる教員、子どもたちのケアに当たる教員の姿を報道で見るたび悶々とした気持ちで過ごした。


写真4・避難所となった学校

 

 そんな中、私は4月1日から社会教育主事として石巻市視聴覚センターに勤務することになった。当センターは、市内中心部から車で北に約20分の河北地区の河北総合センター(通称ビッグバン)の一室にある。北上川のほとりに位置する建物は津波の被害は受けていないが、河北地区には、多くの犠牲者が出た大川小学校のある大川地区がある。着任したとき、館内には550名が避難していた。会議室や体育館はもちろん、ロビーや通路も人であふれていた。

 何を?何ができる?こんな時期に。自問自答する私は、窓口で避難者を尋ねてくる方の問い合わせに応じたり、物資の運搬に携わったりするほかなかった。当センターは、石巻市だけでなく、東松島市と女川町の協力も得て運営している。東松島市も女川町も甚大な被害を受けている。昨年5月下旬の2市1町の連絡会議で年度方針を決定したが、震災前に作成された事業計画を大幅に見直さざるを得なかった。その大きなものは新規教材・機器の購入予算凍結である。視聴覚ライブラリーにとって新規教材を購入できないことは、半分の身動きしか取れないことを意味する。しかし、学校他、利用団体のほとんどが被災し、通常の活動ができない以上やむを得ないことであった。

 当センターは「情報センター機能」と「研修センター機能」の2つを事業の柱にしている。しかし、今年度の使命は「お金のかからない」事業を展開することにある。以下に取り組んだ事業のいくつかを紹介したい。まず、避難所となっているセンターとして何ができるか考えた際、保有している教材の上映会を思いついた。ivicシアターと題し、午前中に子ども向け、夕方に一般向けの上映会を行った(写真5)。


写真5・ivicシアターでの上映会

 

 大変好評を頂いた。また、ivicシアターは、女川町の低学年支援プログラムの一環として毎週月曜日、5月から11月まで実施した。学校支援としてホームページ支援を行った。この時期、各方面から各校のホームページへの訪問が多くなっていた。

 しかし、各校はホームページの更新に割く時間が取れない状況であり、そもそもネットワーク環境が物理的に寸断されている状況にあった。学校教育課と連携して12校のホームページ更新の支援をした。

 今年度、柱と位置付けた事業に「石巻圏ふるさと映像館」がある。これは、これまでも2市1町の様々な様子をアーカイブとして保管し、インターネットで閲覧できるようにしたものである。未曾有の大災害があった今年、その様子を後世に伝える大きな意味をもつと考えている。

 12月現在で180枚の震災関連の写真を掲載している。目を背けたくなるような写真、あの時のことを思い起こさせる写真である。私が撮影した写真が多いが、多くの犠牲者を出した場所の写真は、心情として公開に踏み切れずに見送っているものもある。また、なかなかシャッターを切れなかったことも多かった。月日が経つにつれ、震災時の悲惨な様子から復興に向かっている様子の写真が徐々に増えてきている。

 なお、当センターを支える運営委員にも写真等の提供を依頼している。その他、各団体の活動のDVD化や編集を支援する事業、各種研修会等を視聴覚の立場で補助する事業などを展開してきた。しかし、当センターの一方の柱である「研修機能」である各種研修会の実施は対象団体の状況もあり、当初の計画よりも大幅に減じなければならなかった。

3.今後に向けて〜被災地だからこそ

 今年度は何もかも変則的であった。次年度は今年度推進した事業をベースとして、通常時の計画を整理しながら推進していく必要がある。視聴覚の立場で震災と復興を見つめ直すことができないか、「ふるさと映像館」にとどまらず、さらに発展的なものを模索することは、今後の私のテーマである。今日まで何をしてきたのかと思うこともしばしばである。ただ、この非常時に社会教育主事として思いを強くしたことがある。それは「下支えをする立場である」ということである。

 学校にせよ、地域にせよ、被災地の状況は目先のことで手一杯である。視聴覚教育が、情報教育が、という状況ではない。そんな中で少しでも役に立てれば、できることがあれば、という思いである。

◆専門委員通信(5)視聴覚教材と視聴覚ライブラリーの役割/全視連専門委員 沼澤 豊起

(青森県総合社会教育センター指導主事)

1.概要

 青森県総合社会教育センターには、青森県視聴覚ライブラリーが設置されており、5,660本の視聴覚教材を保有している。内訳は、VHS3,790本、16ミリフィルム1,200本、DVD660本、その他10本となっている。これらの教材は、当センター内にある「インフォメーションプラザありす」(写真)で貸し出しており、学校などの団体や多くの県民の方々に御利用頂いている。貸し出されている教材種別は、DVDが約65%と多く、VHSが約34%と続く。利用者は個人が約92%と大半を占める。


インフォメーションプラザありす


2.ありすネット

 青森県内には8つの視聴覚ライブラリーがあり、各地域住民の諸活動、学校・社会教育に貢献している。

 それぞれのライブラリーが教材を保有しており、中には特定のライブラリーのみが保有している教材もある。当センターが運営する、生涯学習に関する情報提供サイト「ありすネット」では、県内の各ライブラリーが保有する視聴覚教材を一括して検索することができ、各ライブラリーが保有する教材を有効に活用できるようにしている。検索画面では、メディアの種別や教材の分野別など、検索条件を細かく指定することができる。「ありすネット」で教材を検索し、遠方のライブラリーにあることが分かった場合は、当センターが仲介して教材の貸出を行う場合もある。

3.あおもり県民カレッジ

 視聴覚教材の多くは、県の生涯学習支援事業「あおもり県民カレッジ」の単位認定教材となっており、この視聴によって幅広い年齢層の学生が、多様な分野の学びを深めている。あおもり県民カレッジでは、教材の視聴や社会参加活動等を単位として認定し、取得単位数が申請条件に達した場合、単位数に応じて4段階の奨励賞を授与している。

4.自主制作教材

 貸し出されている教材の分野をみると、最も多く利用されているのは、学術・教養分野で、貸出総数の約20%を占めている。同様の割合を占めているのが生活・福祉分野である。これらの教材は、学校などの教育施設の他、個人での利用も多い。次いで利用の多い分野は一般映画・アニメで、それとほぼ同じ割合なのが、青森の歴史・伝統・くらし分野である。当センターは、平成元年の開所以来、青森県の視聴覚センター的な役割を持ち、教材の自主制作に取り組んできた。自主制作教材の多くは、青森県内の文化や自然など優れた素材を題材にして、郷土の理解を深め、郷土愛を育むことを目的としている。平成16年から平成21年にかけて制作された「青森県の山」シリーズでは、県防災航空隊の協力を得て、白神山地や八甲田山を上空から撮影し、普段は見ることの出来ない風景をふんだんに収録している。また、平成22年度に制作された「青森県の先人廣澤安任」では、旧斗南藩士、廣澤安任の生涯を、県内各地に残る史跡と、普段公開されていない貴重な資料とを合わせて紹介している。

 これらの自主制作教材は青森県の自然、文化を理解する上で大変貴重な資料であり、県内外で行われている各講座や、民間放送局の資料映像としても利用されている。

5.資料映像のアーカイブ化

 これら自主制作教材の他、かつての青森県の姿を残す貴重な視聴覚資料が、当センターには残されている。その多くは16ミリフィルムやVHS等、各テープメディアで残されており、その管理の難しさと、活用のしづらさが問題となっている。当センターでは、青森県や当センターに著作権等の権利が帰属する視聴覚資料について、県民が活用しやすいよう、DVD等のデジタルメディアへの変換をすすめている。

6.おわりに

 視聴覚ライブラリーの保有する教材、資料は時間の経過と共に物理的に劣化し、再生環境の変化によって利用は少なくなる。しかし、その内容はその教材が制作された時点の青森県を知る、価値ある資料である。その資料を利用するかどうかは、県民あるいは後世の人々が判断すべき問題であり、現在あるものを、何らかの形で利用できる可能性を残す事が、公的な機関としての視聴覚ライブラリーの役割であると考えている。

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