全国視聴覚教育連盟

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視聴覚教育時報 平成24年10月号(通巻675号)index

◆『教材』であること〜全国自作視聴覚教材コンクールで文部科学大臣奨励賞を受賞して〜/佐藤 洋一(宮城県蔵王町教育委員会主幹兼文化財保護係長)

◆第3回 全視連ビジョン策定委員会開催〜ビジョン策定のためのアンケート調査の実施〜

◆平成24年度「新教育映像に関する調査研究事業」 ─4視聴覚センター・ライブラリーが参加─

◆平成24年度全国自作視聴覚教材コンクール 優秀映像教材選奨 入選作品

◆全国大会 全視連関係3分科会報告□テーマ別研究交流会 〈8月2日(木)〉テーマ:「明日に活かすメディア・コミュニティを考える」

◆全国大会 全視連関係3分科会報告□団体別研究 〈8月3日(金)〉テーマ:「デジタル化への展望〜視聴覚ライブラリーのネクストステージ〜」

◆全国大会 全視連関係3分科会報告□団体別研究 〈8月3日(金)〉テーマ:「地域力を培う特色あるメディア活用」

◆『教材』であること〜全国自作視聴覚教材コンクールで文部科学大臣奨励賞を受賞して〜/佐藤 洋一(宮城県蔵王町教育委員会主幹兼文化財保護係長)

 私たちが制作した紙芝居『蔵王町ふるさとのむかしばなし』が、全国自作視聴覚教材コンクール社会教育部門の文部科学大臣奨励賞を賜った。力試しに応募したので受賞など想像もしておらず、報せを受けた時も、嬉しいことは嬉しいのだが、どこかにしまい込んだまま忘れていた物が見つかったときの感覚に近かったと記憶している。

 この紙芝居は、宮城県蔵王町に伝わる昔話の紙芝居で、全7話のシリーズだ。住民に対する郷土史周知の目的で、町立図書館での貸出を前提として教育委員会職員が自作した。わが町の小学校ではボランティアによる読み聞かせが盛んに行われている。
この紙芝居を使ってもらうことで、自然に郷土史周知が図れるだろうと目論んだのだ。制作にあたり重視したのは、誰にでも違和感なく使ってもらえる紙芝居であることだ。体裁を市販の紙芝居同様とし、好みが分かれないよう絵柄をシンプルにした。郷土史理解を図るため舞台となった史跡や地名の解説シートを添付したが、作品の個性より使い勝手を優先させた結果、およそ平凡な紙芝居が出来上がった。

 今回のコンクールには全123作品、社会教育部門は60作品の応募があった。その中から、なぜ私たちの作品が賞に選ばれたのだろうか。考えた末、作品の芸術性や完成度より『教材としての機能』が評価されたのではないかと思い至った。
視聴覚教材が教材である以上、伝えるべき情報が的確に表現されているのと同時に、誰が、何のために、どうやって使うかという、教材の使われ方に対する配慮も大切である。平凡な紙芝居が評価に値するとしたら、他に比べてその点が少々具体的だったからではないか。手前勝手な当て推量に過ぎないが、そう考えればこの度の受賞を「我が意を得たり!」と自惚れることができるのだ。

 現在、町立図書館の紙芝居貸出トップは本シリーズの『納豆和尚』。その他もよく借りられているようだ。教材は使われてこそである。制作した甲斐があったと感じている。

◆第3回 全視連ビジョン策定委員会開催〜ビジョン策定のためのアンケート調査の実施〜

 去る10月16日(火)一般財団法人日本視聴覚教育協会会議室において、第3回全視連ビジョン策定委員会が開催されました。冒頭、吉川委員長(全視連副会長)より、前回に引き続き、将来を見通した全視連の在り方について検討を戴きたい旨の挨拶があり、主査の照井副専門委員長の司会で協議が行われました。

 今回は、全視連の組織体制及びメディア進化に伴う事業の在り方等についてアンケート調査を実施し、その意見や考え方を集約し、ビジョン策定の参考資料にすることを意図しているとの説明がありました。協議では、提案のあったアンケート調査の項目や内容について、各委員から様々な意見が出され、それらを踏まえ、さらに精査したアンケート調査修正案を次回委員会に提出することになりました。

■主な協議事項
1.全視連の組織体制をどのように考えたらよいか、都道府県単位の連絡協議会等の団体と、市町村の視聴覚ライブラリーとの関係の実態を把握する必要があるのではないか。

2.市販教材のデジタル化の問題をどう考えたらよいか、法的な問題を含めて実態や意見を集約する必要があるのではないか。

3.国、都道府県、市町村レベルの行政と視聴覚団体とのかかわりや接点が不明な部分が多いので明らかにする必要性があるのでは。

4.どういう方向で、全視連の在り方を見直してゆくか明確にすることが重要ではないか。

5.デジタル化は技術の問題だけでなく、権利処理の検討をも含めて教材のコンバートを考える必要があるのではないか「デジタル化」の今後を見通した場合、ネット配信まで考える必要があるのではないか。

 協議の結果、ビジョン策定の方向性を探るためには、アンケート調査対象、調査の意図や内容を明確したアンケート調査最終案を作成し、次回委員会においてまとめることが決まりました。第4回委員会は、11月20日に開催することが決まりました。

◆平成24年度「新教育映像に関する調査研究事業」 ─4視聴覚センター・ライブラリーが参加─

 前号でご案内の「新教育映像に関する調査研究事業」には、今年度は全国から4視聴覚センター・ライブラリーより応募をいただき、下記表のように6作品が調査研究対象作品としてアンケート調査を実施することになりました。

〈事業の流れ〉
・平成24年10月初旬 ─  参加ライブラリーへ決定通知
・平成24年10月中旬 ─  希望調査研究作品とアンケートを各ライブラリーへ送付
・平成25年1月中旬頃まで ─  各ライブラリーがアンケートを実施
・平成25年1月31日 ─  アンケートの返送(各ライブラリーから全視連へ直接)
・平成25年3月末 ─  アンケートの結果を事務局で集計し、ホームページ上で公開

 この事業のもうひとつのねらいに、優秀映像選教材選奨入賞作品及びそれに準ずるような優れた作品(限定数)の活用を支援する目的もありますので、今後も参加されることをご検討お願いいたします。

◆平成24年度全国自作視聴覚教材コンクール 優秀映像教材選奨 入選作品

 一般財団法人日本視聴覚教育協会が主催の標記2つのコンクールの入選作品が決定した。全国視聴覚教育連盟等の視聴覚教育関係団体の共催によるこれらのコンクールの表彰式が、去る9月14日に東京都千代田区の霞ヶ関ビル・東海大学校友会館において開催され、入選作品上映会も行われた。

全国自作視聴覚教材コンクール

 全国自作視聴覚教材コンクールは、昭和49年に第1回を開催し、本年で39回を数える。このコンクールは、今日の多様化した学習内容に対応し、きめこまかな自作教材の制作と確保がきわめて重要であり、そのため本格的な視聴覚教材の自作活動を促進するために実施するものである。今年度は全国から123作品の応募があり、左記のような入選作品を決定した。

■小学校部門(幼稚園及び保育所を含む)
●文部科学大臣賞〈最優秀賞〉
「交通安全紙芝居『おむすびころりん』」〈紙しばい〉宮城県大崎市市民協働推進部防災安全課


おむすびころりん

●優秀賞 「星│夜空が描く物語 夜空に描く物語│」〈ビデオ〉山口薫(仙台市立向山小学校)
「大府市の農業 木(こ)の山いも」〈ビデオ〉愛知県大府市視聴覚教育研究会
「八丁味噌│岡崎で受けつがれる伝統の技│」〈ビデオ〉愛知県岡崎市視聴覚ライブラリー・おかざき映像教材研究会

■中学校部門
●文部科学大臣賞〈最優秀賞〉該当作品なし
●優秀賞 該当作品なし

■高等学校部門 
●文部科学大臣賞〈最優秀賞〉該当作品なし
●優秀賞 「ダイコンの交配実験」〈ビデオ〉愛媛県立松山南高等学校放送部

■社会教育部門
●文部科学大臣賞〈最優秀賞〉
「蔵王町 ふるさとのむかしばなし」〈紙しばい〉宮城県蔵王町教育委員会


蔵王町 ふるさとのむかしばなし

●優秀賞
「ふるさとの童謡 ないしょ話」〈ビデオ〉南陽8ミリクラブ(山形県南陽市)
「ジャズの街 岡崎」〈ビデオ〉愛知県岡崎市視聴覚ライブラリー・おかざき映像教材研究会
「篠山が生んだ偉人 百科事典をつくった男 下中弥三郎」〈ビデオ〉兵庫県篠山市視聴覚ライブラリー
「よみがえる黄金ロマン│永野金山│」〈ビデオ〉野崎正寛(鹿児島県薩摩郡)
 その他、入選作品が18作品決定した。

優秀映像教材選奨

 優秀映像教材選奨は、わが国で行われる各種コンクールのうちで、唯一の学校および社会教育等で利用される市販映像教材を対象としたコンクールである。今年度は全国から135作品の応募があり、左記のような入選作品を決定した。

【教育映像】
■小学校(幼稚園含)部門[特別活動]
●最優秀作品賞(文部科学大臣賞) 「ボクはすぐに逃げたんだ 東日本大震災から学んだこと」(DVD/14分)(株)映学社

■社会教育部門[市民生活向]
●最優秀作品賞(文部科学大臣賞) 「3.11 その時、保育園は 検証編」(DVD/60分)岩波映像(株)


3.11 その時、保育園は 検証編

■教養部門
●最優秀作品賞(文部科学大臣賞) 「詩人 谷川俊太郎」(DVD/58分) (株)紀伊國屋書店

【教育映像コンテンツ】
■中学校部門[外国語]
●最優秀作品賞(文部科学大臣賞) 「デジタル教科書
NEW HORIZON 2年」(DVD/WinXP.Vista.7)東京書籍(株)
 その他、優秀作品賞に47作品が決定した。

◆全国大会 全視連関係3分科会報告□テーマ別研究交流会 〈8月2日(木)〉テーマ:「明日に活かすメディア・コミュニティを考える」

 本誌8月号にて、8月2日(木)・3日(金)の視聴覚教育総合全国大会並びに放送教育研究会全国大会合同大会(東京大会)の概要を速報としてお伝えしたが、本号では全視連が開催した3つの分科会について報告する。

・助言者:妹尾 剛(放送大学学園学習センター支援室長)
・司会者:照井 始(全国視聴覚教育連盟副専門委員長)
・コメンテータ:廣瀬 修(富山県民生涯学習カレッジ映像センター課長)
・コメンテータ:
 安東幹雄(大分市情報学習センター指導主事)
・ゲストコメンテータ:
 久慈 孝(岩手県教育委員会生涯学習文化課社会教育主事)
・ゲストコメンテータ:
 石塚公美子(前盛岡教育事務所管内教育振興協議会)

1.発表概要
(1)富山県映像センター
 富山県映像センターは、県民カレッジの中に組織され、〈映像を学ぶ〉、〈映像をいかす〉、〈映像を作る〉、〈映像を集める〉の4テーマのもと、「交流、学習、資料、研究」のセンター機能を生かして、生涯学習活動の支援など、積極的に事業を推進している。多くの事業の中で、迫力ある映像に親しんだり、家族で楽しむ映画会、ふるさと富山の映像文化に触れる機会等を支援している。
 センターが保有する豊富な映像教材の貸し出し数は、年間2500件前後と、映像を活用しようとする県民の学習ニーズは高い。また、郷土教材をデジタル化することで、気軽にインターネット視聴も可能となり、県民の文化・学習活動を支え、一人一人が生涯を通じて学べるよう支援を推進している。

(2)大分市情報学習センター
 大分市情報学習センターは、ICTボランティア育成、生涯学習の各種情報をポータルサイトで提供するシステム構築など、「学習情報で人と人とをつないでいく」役割の一層の充実を図っている。
 市民の学習ニーズに応える事業として、「ITボランティアiの手」による「知の循環」の支援を行っている。また、地域の伝統や文化、観光、地域・自然や暮らし関する自作教材等も配信している。
 学びで得た知識を還元していく「学びの循環」で豊かな生活をめざす「生涯学習のサイクル」や市民のニーズに対応した学習支援を行っている。

(3)被災地岩手県からは、宮古市で「宮古災害FM」が被災10日後にスタート。行政情報や水や医療等の情報提供活動を行った。被災当時は、衛星電話を使った携帯のみが通話でき、テレビも視聴できず、情報飢餓的状況にあったが、FM放送等の情報発信により、少しずつ改善された。

 地域での暮らし、商店街の活性化をめざし、「素敵な町の映画会」なども開催され、地域の人々の心の結びつきや小さなコミュニティーづくりに役に立った。地域のAVLの役目として、思い出の8ミリフィルムをDVDにしたいとの市民の要望が寄せられ、段ボールを使って映写したフィルムをデジタルカメラで撮影してDVDを作る活動も進めている。

2.意見交換
 郷土教材のデジタル化やインターネットによる動画配信、メディアボランティアの育成と活動実践等について質疑応答や意見交換を行った。

3.指導助言
 助言者の妹尾室長より、一人一人の学びを支援することとその学びを広げる支援が重要である。
*映像に特化して、多面的事業の魅力と豊かな自然を映像に収める素晴らしさがある。/*『iの手』という素敵なネーミングと情報弱者に対する支援の厚みを感じる。*地域リーダーの育成支援と郷土の記録のアーカイブ化は見事である。/*地域での特色あるメディア活用の一層の可能性とメディア施設のNext Stageが見える。/*文科省でも「大学改革実行プラン」を取りまとめ、「地域再生の核となる大学づくり構想」を推進している。全国都道府県にある放送大学学園の学習センターもメディア・コミニュティの形成や生涯学習での「支援システム」の役割を担いたい。

◆全国大会 全視連関係3分科会報告□団体別研究 〈8月3日(金)〉テーマ:「デジタル化への展望〜視聴覚ライブラリーのネクストステージ〜」

・助言者:吉田広毅(常葉学園大学准教授)
・司会者:照井 始(全国視聴覚教育連盟副専門委員長)
・発表者:牧 雅英(千葉県総合教育センター指導主事)
・発表者:金丸 敦(埼玉県春日部市視聴覚センター指導主事)

1.発表概要
(1)青森県総合社会教育センター
 青森県総合社会教育センター内に「青森県視聴覚ライブラリー」が設置されており、資料映像や視聴覚教材を所蔵している。自主制作した教材は、県内の各学校や社会教育施設などに配付している。センター内の「インフォメーションプラザありす」でも貸し出され、センターHPでも配信している。
 「視聴覚教材デジタル化事業」により、県に著作権等の権利帰属している利用価値の高い16ミリフィルムをデジタル化した。デジタル化によって、長期保存が容易になり、利活用する機会が増えている。しかし、社会環境の変化により、制作時に意図されたように視聴・利用されるとは限らない。デジタル化することで、制作時の公開を前提としない映像の著作権処理などの問題も含んでいる。

(2)埼玉県春日部市視聴覚センター
 春日部市視聴覚センターは、@研修・学習センター機能、 A教材センター機能、 B情報・研究センター機能を持っている。センターのセミナーに参加した教員や市民が、受講後に映像作品をビデオフェスティバルに応募するなど、市民参加の活動が増えている。センターでは、市民の技術向上を図り、視聴覚教育の振興に資する事を趣旨に「ビデオ特派員制度」を設け、映像資料の収集やビデオ関連事業への協力を依頼している。
 記録メディアがフィルムから光ディスク等へと移行する中、映像でしか残せない貴重な記録が存在する。失われつつある貴重な情報や資料を後世に継承するために、再生が可能なうちにデジタル化することが急務と考え、メディアコンバートを急いでいる。

(3)千葉県総合教育センター
 千葉県総合教育センターでは、「教育の情報化ビジョン」を受け、確かな変化やICT教育利用、それに伴う教師の授業力の向上を目指し、リーダー研修などに力点を置いている。
 教育へのICT活用を進めるために、教員研修、研究開発、調査研究や支援等を行っているセンターの役割はますます高まる。そして、「学びの場」としてICT活用やデジタル化をどのように「活用」していくか、「確かな変化」が更に求められてくる。そのためには、センターにおける研究開発や調査研究、支援等の実践を捉え、成果を共有して研修等において教育関係者が「それぞれのNext Stage」を創造できる「学びの場」の設定が必要となる。

2.研究協議
 出席者からは、学校のデジタル化が進み、デジタル教材を使いやすい環境になってきたとの意見が多く出された。教材のデジタル化で生じる著作権処理の課題も話題となった。市教委ネットによる、学校のみの制限付き視聴など、著作権の帰属されている教材のデジタル化が進んでいる現状が分かった。

3.指導助言
 助言者の吉田先生から、社会教育におけるデジタル化への展望のキーワードは、 @「教材・資料のデジタル・アーカイブ化」、 A「地域固有の『知』の開発と保存」、 B「社会教育にかかわる人材の育成」であること。
 まとめとして、 @「デジタル化が直接、教育の質を高めるわけではない。重要なのは、コンテンツ、メッセージ。しかし、デジタル化によって初めてできることもある。」、 A「デジタル化の進む今こそ視聴覚教育の再考。映像の教育効果、映像の教育活用の方策についての学習・研究。」等について話された。

◆全国大会 全視連関係3分科会報告□団体別研究 〈8月3日(金)〉テーマ:「地域力を培う特色あるメディア活用」

・指導講師:伊藤敏朗(東京情報大学教授)
・司会進行:原田成夫(北村山視聴覚教育センター所長)
・報告者:丸山裕輔(新潟県五泉市立大蒲原小学校京都)
・報告者:石垣 恵(仙台市教育局生涯学習課社会教育主事)
・報告者:旭山 久(栃木県総合教育センター社会教育主事)

1.発表概要
(1)日立市視聴覚センター

 各学校へ出向いての映画の上映会や地域活動支援のための機器操作出前講習会を行ない地域で上映会を開催している。映像メディアセミナー、コンクール、映像資料の制作などを通して人材育成に努めている。

(2)新潟県立生涯学習推進センター
 新潟県生涯学習情報提供システム「ラ・ラ・ネット」は登録した団体のホームページを作ることができ、情報発信の場としても利用できる。「映画ボランティアの会」が中心となって映画会の実施や選定やアンケートの実施、鑑賞会等を行なっている。

(3)栃木県視聴覚教育連盟
 自作視聴覚教材コンクールの入賞作品を地域での上映会や貸し出しを行なっている。宇都宮市視聴覚ライブラリーでは「うつのみや映写ボランティアの会」の会員が地域において年500回程度の映画会を開催したり、地域映写会を行なっている。「うつのみやを映す会」は現在の宇都宮を後世に残すための映像資料を撮影・編集している。

(4)仙台市
 せんだいメディアテークでは学校の図工部会と連携しアニメーションづくりのプログラムを作成し、研修会を実施した。近くの小学校とも連携し各学年に対応したプログラムを作成、授業の一つとして成立できるようにした。教材制作には大学のゼミグループや東日本大震災に後に結成された若者によるボランティア団体に委託することで参加拡大を図っている。
(調査報告の詳細については、全視連のホームページを参照してください)

2.研究協議
 質疑では映画の選定、購入、保管方法、一般映画等の借用、映写機の保管、点検、修繕等についての質疑が多かった。
 研究協議ではボランティアに関することが話題となった。会員の高齢化や若い人たちへの呼びかけ等への対応等が中心となって話し合われた。

3.指導助言
 指導講師の伊藤先生からは次のような助言があった。「地域力の育成」は現代的で大事なテーマである。人と人とがつながりを持つためには「空間」「時間(世代)」「人間」という3つの「間」のつながりが必要である。地域映写会は集団で映画を視ることを通して人と人をつなげる手段である。地域メディアを制作するということは郷土を再発見することであり、地域を題材として制作されたメディアは完成度や芸術度は未熟であっても、制作すること自体が地域力の育成にとって大事なことである。
 課題の一つはサークルの高齢化が進んでいることである。若い人へどうやってつないでいくのか。輪を広げていくのかそのための手段を考えていく必要がある。
 ライブラリーは地域での映写会の演出家、地域メディアの制作、サークルのネットワークコーディネーター等を通して地域力育成の一助となれる。

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